「ステップアップ」「ステップ・バイ・ステップ」ということがよく言われます。英語が上手になる。会社の仕事を覚える。営業成績を上げるといったときによく使います。

人は、物事を成就させるとき、一瞬のうちに10倍の能力や成績を手に入れるのは難しくても、階段を一段一段、ハードルを一つひとつクリアするようにして10段の階段を昇り切ることがあります。

ところが、この「ステップ・バイ・ステップ」という言葉。これから昇ろうとする人にとっては案外、大きなストレスにもなるようです。ステップ1段1段が、とても高く感じられるようです。

昇り切った人や、上がれるよう引っ張る立場の人から見たら、段差わずか10数センチ、わけなくサッサと昇れる「成功への階段」に感じられるステップが、これから実際に体を使って上がる人からしたら、とてつもなく高い段差、場合によっては自分の身長を超える大きなカベ(障壁)にしか見えないこともあるようです。

低い段差の階段なら10段ほど先までも見通せます。自分がどこに向かって歩いているか想像がついて安心もできます。10段を、どういった力配分、ペースで昇っていったらいいか見通しも立ちます。

ところが目の前に、身長よりも高い「大きな壁」がデンと立ちはだかってきたら、先を見通せないばかりか、向こうがどうなっているかまったく分かりません。この先に、さらに高い壁があるのではないかと不安を抱く人も出てくるでしょう。

階段を壁のように感じて、大きなストレスを感じている人に、「ステップ・バイ・ステップ」とテンポよく階段を上がってもらういい方法はないのでしょうか。

その答えはいく通りもあるでしょうが、答えの一つはこうです。
仮に1ステップ上がるのを100%の達成度としたら、その100%を求めないで、1ステップ40%の達成度や60%の達成度を1ステップとして、小刻みな段差を加えて、少しずつ段差を昇ってもらうことも一つの対応案です。時間はかかるかもしれませんが、だんだんと加速して確実に10段目の上まで上がって行くことができるでしょう。段差が40%や60%の小刻みになったら、視界をふさいでいた壁が低くなって先の方まで見通せるでしょう。ちょっと高いけど上がっていけそう、と安心できるでしょう。このように1段分を何段かの小刻みな段にしてストレスを減らし、スムーズに上がってもらう方法もあります。

では、段差を小刻みにするだけで、「ステップ・バイ・ステップ」と調子よく上がれるのでしょうか。

いくら段差を小刻みにして1つのステップが上がれたとしても、脅かされるような調子で叱咤され、無理やり引っ張り上げられたのでは、次のステップを上がるとき、「今度もつらいだけじゃないかだろうか」と苦しさが頭をもたげてきて、ストレスは募るばかりです。その人にとっては「ステップ・バイ・ステップ」という励ましが、「この壁をよじ登って越えなければ、君に明日はないぞ」といった威圧になってしまうのです。あきらめるか、必死でがんばるか。どちらにせよ大変なストレスです。数センチから十数センチの高さでも、仮に10段先まで見通せたとしても、足は動かしにくいものです。

そんなとき、「甘いことを言っていないで、無理やりでも何でも、やらせればいいんだ」といった声が聞こえてきそうな気がします。

でも、「無理やり」では10段の階段はなかなか上がれません。無理やりさせられたことで恨まれるか、「もう二度とするもんか」と強いストレスを残すことにもなりかねません。

ではどうしたらいいのでしょうか。脅したり、むりやり引っ張り上げたりせずに、自分から進んで、意欲的に、1歩踏み出してもらうことはできないものでしょうか。

1歩が自発的な1歩になるには、先が見通せているという安心感、会社の目指す方向が自分の心の中で納得できていること、社長や幹部と共有感、自分も同様の方向で力を出そうと思えているかどうか、ということが重要になってきます。

ステップを実際に上がっていく人と、それを引き上げ、サポートする人が思いを一つにする。それは実は、難しいようで案外簡単なことなのです。

人にはそれぞれ、こうなりたい、こういう自分でありたい、周囲からこう認められたい、といったプラス指向の世界、夢があるものです。

営業が苦手で、営業成績アップの1ステップを高い壁のように感じている人でも、心の中では「できればステップを上がりたい」と願っているやもしれません、別の職場でがんばって会社に認められたいと思っているかもしれません。

そうした、その人なりの願い、理想とつなげて、今回のステップがその人の夢の実現にどう関係してくるのか、といったことをイメージしてもらうことが、ストレスを感じずに次の1歩を踏み出してスムーズな「ステップ・バイ・ステップ」を実現する上でとても大切なことなのです。

「自分の夢を実現するんだ」というモチベーションが、1歩1歩踏み出す心と足のエネルギー源、壁を越える気力にもなるのです。

ステップの1段目を前にした人がいたら、社長や上司や先輩は、会社の論理を押し付けるだけでなく、体を動かしてステップを上がる人と実際に言葉を交わして、その人が自分も心の中で描いている「こうなりたい」というイメージに耳を傾け、あなたのその「なりたい」イメージを一緒に実現しましょう、と語りかけてください。そして、静かに、温かく、「その夢を実現するために、では、アナタは何をどうしますか、どう行動しますか。教えてください」と尋ねてみてください。「○○しなさい」とか、「△△してはダメです」とか、「□□は難しいですね」とか、その人の発想を制限したり誘導したりするようなことを言うやり方ではなく、あくまでも、その人自身が「自分の夢を実現する」方向で行動を自己選択することが大事なのです。

社長や、幹部や上司や先輩がそう行動することによって、営業目標の達成を困難に感じていた人も、自分なりにモチベーションを建て直して、1歩また1歩とステップを上がることができるようになるのです。

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