社長が面白いワークをしてくれた。epiのトレーナーの一人、プロジェクトアドベンチャーの一人者でもある北川剛司コーチに教えてもらったという。

社長が「前へ」と言う。私も「前へ」と言って一歩前に進む。「右へ」と言われたら、自分も「右へ」と言葉にして右へ一歩動く。同様に左や後ろへも声を出しながら動く。言われた言葉を繰り返し、その方向に足や体を動かす。言葉と足は同じ動きをする。

 動きに混乱はない。

 次に「前へ」と言われたら「後へ」と言って足を後ろ出して動く。「右へ」と言われたら「左へ」と言って足を左に出して動く。他の方角も言われた言葉と逆の方向を口に出して、自分が言った方向に足を動かす。

 指示とは異なるが、自分の言葉と動きの間には矛盾がない。これもさほど混乱しない。

 ところが、第3ステージ。「前へ」と言われたら「後へ」と言って足だけを前に一歩動かす。「右へ」と言われたら、「左へ」と言って足は右に。

 つまり、自分自身の言葉と足の動きに矛盾がある。たちまち混乱した。

 このささやかなワークは、人間の行動がいかに言葉に支配されているかを体験できるものだという。面白いワークを考えた人がいるものだ。

 人間は、脳の働きによって、行動に多くの影響を受けていることは、さまざまな研究によって明瞭になっているが、脳の中の言葉がこんなも日常動作を混乱させるものだと知ってびっくりした。

 それほどに行動に影響を与える言葉なら、自分に語りかけ、人に語りかける言葉も重々気をつけなければいけない。

 そう思って机の前にかかっている日めくり「稲盛和夫箴言集」を見たら、「『愚直に、真面目に、地道に、誠実に』働く」とあった。毎日、この言葉を自分に言い聞かせていたら、そのように行動もコントロールできていくかもしれない。

 スポーツ選手は、大事な試合の前にイメージトレーニングをして、言葉を介して行動と意欲を高めていくという。

 ビジネスマンであろうとOLであろうと、家庭人であろうと、日々、励みになる言葉、鏡になる言葉で自分自身を、よりよくイメージアップして、実際の行動もブラッシュアップしていきたいと思った。

 良い言葉、良い思いを自らに向け、人にも向けて生きたい。

 選択理論心理学を提唱した米国の精神科医ウィリアム・グラッサー博士は、人を生き生きとさせる行動「人間関係を築く7つの習慣」として次の言葉を掲げた。

傾聴する。支援する。励ます。尊敬する。信頼する。受容する。意見の違いについて交渉する。

 こうした言葉を日々、折々に自分に語りかけていったら、そうした行動が自然にとれるようになるかもしれない。

 私はグラッサー博士の7つの言葉に、さらに一つ加えたい言葉がある。「言葉に出して、すべての人や物、事柄に、心からお礼を言う」だ。

 お礼の、心からの「ありがとう」は、多くの人を生かしてくれる。いよいよ言葉の力を信じて、自他共に喜びに満ちた職場と家庭と社会を「誠実に、愚直に、倦(う)むことなく築いていきたい。

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